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東埼玉総合病院 内科

東埼玉総合病院の内科では、一般内科の外来に加え、消化器内科、循環器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、呼吸器内科、神経内科、膠原病内科の専門外来があります。こうした環境で働く魅力やメリットについて、呼吸器内科を担当する三島秀康顧問に話を聞きました。

―東埼玉総合病院の内科にはどのような特長がありますか?

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三島 「患者さんをトータルに診ることができる」ことが、一番の魅力でしょう。大学病院をはじめ大規模病院では、呼吸器内科なら呼吸器の患者さんだけを診るのが一般的です。しかし当院は他科との垣根がなく、コミュニケーションを密に取りながら患者さんを総合的に診る文化があります。この規模の病院だからこそ実現できることでしょう。それぞれの専門知識を共有し合い、専門外のことも勉強しながら患者さんを診ていくので、幅広い疾患に対するジェネラルな診療スキルを身につけることができます。これこそが、東埼玉総合病院の内科ならではの強みです。

―医師同士の交流も盛んなのでしょうか?

三島 それぞれが得意分野を活かして、不得意なところは助け合う、医師同士が気軽に相談し合う雰囲気があります。医師たちはみな忙しいですから、疑問や不安に思ったことはその場で解決したいものです。その点、専門医に直接話を聞き、すぐに教えてもらえるのは、とても大きなメリットではないでしょうか。
当院は「地域のインフラになるような病院」をめざし、在宅医療連携拠点「菜のはな」を中心とした地域包括ケアシステムづくりを主導してきました。その取り組みは「幸手モデル」として、今や海外からも注目を集めています。同時に開業医の先生方との顔の見える連携にも力を入れており、地域の医師たちが一緒に勉強する「耳学問の会」もその一つです。これらの活動を通じて、医師不足・高齢化が進むこの地域全体の医療レベルの向上にも貢献していきたいと考えています。

―主な患者層は?

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三島 当院の医療圏である幸手市、杉戸町、宮代町は高齢化率がすでに30%を超えています。入院患者の平均年齢は80歳超、外来患者の中心も60~70歳という状況です。高齢化が急速に進む今の時代、例えば、自分の専門である呼吸器だけを追求した医療ができる医師はごくわずか。高齢者の場合、複数の疾患を抱えている方がほとんどですから、内科の場合は特に総合力が必要になってきます。そういう意味では、当院の内科は専門性を磨きつつ総合的なスキルも身につけられるので、総合内科医をめざす医師にとっては理想的な環境ではないでしょうか。

―医師のキャリア形成については、どのようなサポートがありますか?

三島 現在、当院は年間約3000件の救急車を受け入れています。また、消化器内科では大学病院のような専門機関で診るレベルの難症例も数多く手がけています。症例数自体が多いので、それだけの実践経験を積むことができますね。また、学会発表なども積極的に参加できるよう支援していますし、将来を見据えた個人のキャリアプランも尊重するよう心がけています。実際、当院で総合内科医のスキルを身につけた後に、近隣で開業する方もいます。開業後も患者さんの急変時の入院受け入れなど、当院との連携ネットワークは強みになるはずです。当院は経営データもすべて職員に公表しているので、やる気さえあれば病院経営についても学べますよ。一方で、長く勤めてくれた医師にも、開業した方と同等の生活を確保できるよう、貢献度に合わせて定年後の働き方を提案いたします。

―ワークライフバランスについてはどのようにお考えでしょうか?

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三島 埼玉県は人口あたりの医師数が最も少ない県です。中でも当院のある県北部地域は医療・介護資源不足が深刻です。だからこそ病院同士や開業医との連携は必要ですし、当院でも少ない医療資源を活かすための「働きやすい職場づくり」に注力しています。例えば残業は少なく、医師も17時半過ぎには勤務を終えています。当直はもちろんありますが、月2回程度と他の病院に比べると少なく、オンコールも絶対に来なければならないというものではありません。当院で対応できないときは速やかに他院に紹介するなど、病病連携がしっかり取れているので、医師に大きな負担がかかることはありません。休日に呼び出されることはほぼなく、オン・オフがはっきりしているので、一度働き始めると離職が少ないことも当院の特長です。

―女性医師の働きやすさはいかがですか?

三島 小さなお子さんがいらっしゃる女性医師にも働きやすいよう、医局内に女性専用のシャワー室、パウダールームも設けています。
当院は自然の残るのどかな環境にありながら、都心まで約1時間というアクセスの良さが特長の一つです。近隣には有名大学への進学率が高い中高一貫教育の進学校も多く、仕事と育児を無理なく両立させながら、豊かな暮らしが実現できる。そんなワークライフを求める方にもぜひ来ていただきたいですね。女性医師に限らず、今後も一人ひとりの希望を聞いて、ご自身の思い描くキャリアを積めるよう、状況に応じた働き方を臨機応変に考えていきます。

―内科に求める人材は? また、どんな人が活躍できると思われますか?

三島 一つは、やりたいことがはっきりしている方。まだやりたいことが定まっていない場合は、総合内科医をめざすという手もあります。いずれにせよ、「人に聞くなんて恥ずかしい」「プライドが許さない」という方よりは、仲間の教えを素直に受け入れ、吸収できる柔軟な思考の方が、当科に向いています。
もう一つは、和を大切にできる方、仲間と助け合える方です。当科は看護師・薬剤師などのコメディカルと医師のチームワークが良いことが自慢ですから、チームの一員として協調できるかも重要です。「医者は偉い」といった考えの方は合わないかもしれません。医療ミスを防ぐためには、仲間の指摘に素直に「ありがとう」と言える方でなければいけません。仲間とともに、最善の医療を地域に提供したいと思う方には、ぜひ仲間に加わっていただきたいですね。

―今後、力を入れていきたいことは何ですか?

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三島 内科のスタッフを増員して、在宅医療を推進したいと考えています。在宅に興味がある先生には、訪問診療にも携わっていただきたいですね。地域密着型の病院ですから、一人の患者さんを長く診ることで、内科医としての新たな魅力ややりがいも出てくると思います。私自身、トータルで患者さんを診られることに魅力を感じて、内科の道に進みました。これからも専門性を磨きつつ、総合力を身につけた総合内科医の育成に力を注いでいきます。

取材日:2018年11月

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